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村上 裕晃; 西山 成哲; 竹内 竜史; 岩月 輝希
応用地質, 64(2), p.60 - 69, 2023/06
放射性廃棄物の処分分野において、ボーリング孔が適切に閉塞されたことの妥当性を確認するための確認項目を整理する目的で、ベントナイトを用いたボーリング孔の閉塞試験を行った。閉塞材の定置前後に閉塞区間を対象として注水試験を行った結果、本研究で目標としたとおり閉塞材がその上下の区間を分断していることを確認できたことから、適切に閉塞されたことを確認する手法の一つとして注水試験が有用であると考えられた。一方、一度閉塞した区間に高差圧が生じた結果として閉塞部に水みちが生じたことから、高差圧が生じる条件では、閉塞材を移動させない等の対策が講じられていることが確認項目として挙げられる。計画段階では、岩盤の水理地質構造に応じた閉塞材のレイアウトや仕様が検討されていることが重要である。また、ベントナイトを閉塞材とする場合は、ベントナイトが孔内で膨潤して体積が増加、密度が低下して透水係数が上昇するため、このことが念頭に置かれている必要がある。加えて、ベントナイトを計画深度へ定置可能な搬送方法であることや、複数材料を組み合わせる場合は閉塞材の性能を低下させない配置であることが確認項目として挙げられた。
高山 裕介
International Journal of Rock Mechanics and Mining Sciences, 136, p.104538_1 - 104538_8, 2020/12
被引用回数:3 パーセンタイル:25.28(Engineering, Geological)地層処分施設の力学挙動を評価するためには、信頼性の高い数値解析技術が必要となる。このような解析技術においては、ベントナイトの力学挙動を評価できる構成モデルが必要となる。本研究では、既存の熱/水/力学連成モデルに適用されている膨潤項が付加された線形弾性構成モデルをFEBEX原位置試験に適用し、特に密度の不均一性に着目した構成モデルの適用性を検討した。その結果、この構成モデルは密度変化を過少評価することが明らかとなった。そのため、不飽和弾塑性構成モデルを用いた力学挙動の再解析を実施した。この力学解析では、力学から水理や熱に与える影響を考慮していないが、二次元的な応力変化や密度分布を再現することができた。
中山 雅; 大野 宏和; 中山 真理子*; 小林 正人*
JAEA-Data/Code 2019-003, 57 Pages, 2019/03
幌延深地層研究計画は、堆積岩を対象に研究開発を実施しており、地層処分技術の信頼性向上や安全評価手法の高度化等に向けた研究開発を実施している。幌延深地層研究計画は、3つの段階に分けて実施しており、平成26年度からは第3段階の調査研究として、地下施設の350m調査坑道において、人工バリア性能確認試験を実施している。本試験は、処分孔竪置き方式を対象として実規模の人工バリアを設置し、実環境下において人工バリア定置後の再冠水までの過渡期の現象を評価する事を目的としている。具体的には、第2次取りまとめで示した処分概念が実際の地下で構築できることの実証、人工バリアや埋め戻し材の設計手法の適用性確認、熱-水-応力-化学連成挙動に関わる検証データの取得、である。本データ集は、検証データの取得状況について取りまとめ、計測データの散逸防止を図ることを目的としている。また、データの中には、原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究において設置した、地中無線モニタリング装置によって取得されたものも含まれる。本データ集でのデータ収録期間は、平成26年12月から平成30年3月までである。計測は継続中であり、今後も随時データを取りまとめて公開する。
舘 幸男; 蛯名 貴憲*; 武田 智津子*; 斎藤 登志彦*; 高橋 宏明*; 大内 祐司*; Martin, A. J.*
Journal of Contaminant Hydrology, 179, p.10 - 24, 2015/08
被引用回数:29 パーセンタイル:73.48(Environmental Sciences)結晶質岩中の核種移行評価においてマトリクス拡散と収着現象の理解は重要である。スイスのグリムゼル原位置試験場から採取した花崗閃緑岩試料を用いて、Cs, Na, IとHTO(トリチウム水)の拡散・収着挙動が、透過拡散試験とバッチ収着試験により調査された。得られた実効拡散係数(De)は、Cs, Na, HTO, Iの順となった。容量因子()と分配係数(Kd)も、同様の傾向を示した。Cs, Naに対する二重プロファイルは、試料表面部のKdの増加によって解釈され、表面分析によって試料表面部の擾乱を受けた黒雲母鉱物の高い間隙率と収着容量の増加に起因することが確認された。二重プロファイルから得られたKdは、バッチ収着試験で得られた粉砕試料のKdの粒径サイズ依存性と関連付られた。グリムゼル試験場で実施された原位置長期拡散試験で得られた試験結果は、室内実験結果とそれらの原位置条件への外挿によって推定された移行パラメータによって良好に解釈された。
内田 雅大; 吉野 尚人
JNC TN8410 2001-015, 35 Pages, 2001/05
本技術報告は、東海事業所地層処分基盤研究施設に設置してある亀裂状媒体水理試験設備(LABROCK)において使用する釜石原位置試験場天然岩体の切り出し、整形についてまとめたものである。なお、本資料は、平成5年3月に動力炉・核燃料開発事業団によって取りまとめられたものである。
亀井 斗禮*
JNC TJ7400 2000-015, 203 Pages, 2000/08
平成11年度に実施された研究内容は以下に集約される。「深地層における硬岩系不連続性岩盤の透水性評価に関する研究は」は「亀裂ネットワークモデル作成と透水性評価に関する研究」と「地盤内における地下水・熱流動現象に関する数値解析的研究」について実施した。前者では、亀裂ネットワークモデルの作成、ならびにパラメータを同定する手法、さらには経路のモデルと透水性評価について実施した。後者の研究では、地下水の流れを評価するために、温度をトレーサとして用いる手法の妥当性を評価した。論理解による局所的な地下水流速の評価手法を提案した後、数値解析である有限要素法を導入し、実地盤である北海道における2つの広域な地下水の流れ(美々川流域、十勝平野)に適用した。地下水温を用いた地下水流れの調査は今後適用例が増加すると考えられる。本研究では主に数値解析手法について述べたが、他手法との併用が非常に重要になるだろう。「岩盤浸透流の三次元特性の調査と解析」では、「不飽和帯中の物質拡散係数推定技術の開発」と「環境モニタリング・システム構築のためのニューラル・ネットワークの適用性の詳細検討」について研究を実施した。前者では、蒸発を与えて不飽和浸透流を形成する方法、即ち土層内部に不飽和浸透流を形成するために土層内下部に一定水頭を与え、土層上面から蒸発を与える方法が拡散係数の同定のような長期実験でも有用であることが示された。後者では、東濃鉱山や正馬様洞をふくむ領域で河川流量解析結果の物理的意味を検討した結果、ニューラル・ネットワークの考え方が、まだ変換関数の設定など問題があるとはいえ、自然現象に適用しうることが明らかとなった。今後の重要な課題として(1)観測されている多くの自然現象をニューラル・ネットワークでつなげた地球環境モニタリングシステムの構築、(2)ニューラル・ネットワークの考えを基礎として、岩盤の地質特性と透水性との関係の研究がある。「水理試験法及び水理試験装置の開発研究」では、工学材料として用いられるベントナイト混合土に注目し、原位置で迅速に測定可能な透水試験法の確立を目的として研究を実施した。具体的には、既存の原位置透水試験法(Air-Entry Premeamater)を改良し、非常に浅い位置での湿潤面の到達時間を測定するために、複素誘電
古市 光昭*; 戸井田 克*; 升元 一彦*
JNC TJ8400 2000-021, 196 Pages, 2000/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を埋め戻し材、プラグ材、グラウト材により閉鎖し、人工バリアの健全性を保つとともに廃棄体の隔離性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験および原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、カナダAECLにおいて開始したトンネルシーリング性能試験におけるトレーサー試験のデータ解析、数値解析に関わる技術的検討及びそれに伴うプラグ周囲のシーリングシステムとしての評価を行うと共に、第2次とりまとめの閉鎖技術に関わる有識者のコメントに対する検討を実施した。以下にその概要を示す。1)AECL地下研究施設において実施しているトンネルシーリング性能試験に係わる、1、トレーサー試験のデータ解決及び数値解析、2、蒸発散量測定のデータ解決、3、ワークショップに関わる資料作成、の項目についての検討を行った。2)第2次とりまとめのドラフトに対して指摘のあった横締固めの機械及び手順についての説明とコンクリートプラグ部の岩盤耐力の検討を行った。
戸井田 克*; 升元 一彦*; 中村 充利*; 奥津 一夫*; 三浦 和彦*
JNC TJ8400 2000-020, 68 Pages, 2000/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を埋め戻し材、プラグ材、グラウト材により閉鎖し、人工バリアの健全性を保つとともに廃棄体の隔離性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験および原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、カナダAECLにおいて開始したトンネルシーリング性能試験におけるトレーサー試験のデータ解析、数値解析に関わる技術的検討及びそれに伴うプラグ周囲のシーリングシステムとしての評価を行うと共に、第2次とりまとめの閉鎖技術に関わる有識者のコメントに対する検討を実施した。以下にその概要を示す。1)AECL地下研究施設において実施しているトンネルシーリング性能試験に係わる、1、トレーサー試験のデータ解決及び数値解析、2、蒸発散量測定のデータ解決、3、ワークショップに関わる資料作成、の項目についての検討を行った。2)第2次とりまとめのドラフトに対して指摘のあった横締固めの機械及び手順についての説明とコンクリートプラグ部の岩盤耐力の検討を行った。
戸井田 克*; 塩釜 幸弘*; 渥美 博行; 升元 一彦*; 安井 信吾*; 阿部 泰典*; 古市 光昭*
JNC TJ7440 2000-006, 137 Pages, 2000/02
東濃地科学センターにおける地層科学研究では,地質環境の調査技術・調査手法を開発することを目的として,広域地下水流動研究,超深地層研究所計画を進めている。これらの計画では,主に地表から地下深部に至る花崗岩中の地下水の動きを対象にしており,そのための大きな課題は,できるだけ少ない調査量で高精度に地質環境を把握するための合理的手法を確立することである。統計解析手法は,地下に埋蔵する資源量の評価など他の分野において用いられてきた数学的な方法である。本業務ではこの手法を試錐データの解析に適用し,その有効性を確認した上で,この手法を取り入れた定量的地質環境モデルの構築を提示するものである。平成11年度には,以下の項目を実施した。1.限られた数量の実測データから得られた地質環境特性の空間的不均一性の情報に付随する不確実性を,定量的に評価する統計解析手法の明確化 2.東濃及び他地域の例における上記手法の試用及び適用性の調査 3.国内外の調査・検討事例の調査及びこれらとの比較による上記手法の合理性の確認 4.上記の統計解析手法を反映した定量的な地質環境モデル構築の要領案の作成
千々松 正和*; 藤田 朝雄; 杉田 裕; 谷口 航
JNC TN8400 2000-008, 339 Pages, 2000/01
高レベル放射性廃棄物の地層処分における廃棄体定置後のニアフィールドでは、廃棄体からの放熱、周辺岩盤から人工バリアへの地下水の浸入、地下水の浸入による緩衝材の膨潤圧の発生、周辺岩盤の応力変化などの現象が相互に影響することが予想される。このような、熱-水-応力連成現象を評価することは、ニアフィールド環境の明確化の観点から重要な課題の一つである。熱-水-応力連成現象を明らかにするためには、まず個々の現象に関わるメカニズムを明らかにする必要がある。そのため、不飽和ベントナイトの伝熱特性、浸潤特性、膨潤特性等に関する各種要素試験が実施されている。また、熱-水-応力連成現象を実際に観測し、どのような現象が発生しているのか把握する必要もある。そのため、熱-水-応力連成現象に関する工学規模室内試験および原位置試験等が実施されている。さらに、熱-水-応力連成現象を評価するためのモデルも同時に開発されており、工学規模室内試験および原位置試験等を用いて、モデルの妥当性および適用性の検討が実施されている。本報告では、これら熱-水-応力連成モデルの開発に関する一連の検討結果を示す。本報告の構成は以下の通りである。第1章では、高レベル放射性廃棄物の地層処分における熱-水-応力連成評価の必要性について示す。第2章では、熱-水-応力連成解析評価に必要な岩石および緩衝材粘土の物性値取得に関する室内試験結果を示す。試験対象は釜石鉱山とし、岩石に関する試験は釜石鉱山で採取された供試体を用い、粘土に関してはベントナイト単体(クニゲルV1,OT-9607)およびベントナイトとケイ砂の混合体を対象とした。第3章では、原位置における岩盤物性試験の結果を示す。原位置試験は釜石鉱山における試験坑道内で実施した。実施した試験は、亀裂特性調査、透水試験、試験坑道床盤に掘削した試験孔内への湧水量の測定である。第4章では、室内および原位置試験で得られた岩盤物性値を用い、第3章で示した試験孔内への湧水量の解析評価を行なった。解析は連続体モデルおよび不連続体モデルの両者を用い実施した。第5章では、釜石鉱山で実施した熱-水-応力連成試験結果を示す。直径1.7m,深さ5.0mの試験孔を坑道床盤に掘削し、試験孔内に緩衝材および発熱体を設置し、連成試験を開始した。連成試験としては、発熱体の加熱を行なう加熱試験を約260日間、発熱体停
笹本 広; 油井 三和; Randolph C Arthu*
JNC TN8400 99-074, 84 Pages, 1999/12
東濃鉱山における原位置試験は、主に第三紀堆積岩を対象として行われている。新第三紀堆積岩中の地下水の地球化学的調査により、主に以下の点が明らかになった。地下水の起源は、降水である。深部の地下水は、還元性である。第三紀堆積岩下部の地下水は、14C年代測定から、13,000年15,000年程度の年代が推定される比較的古い地下水である。比較的浅部の地下水はCa-Na-HCO3型であるが、より深部になるとNa-HCO3型になるような深度方向での水質タイプの変化が認められる。上記の様な地球化学的特性を示す東濃鉱山の第三紀堆積岩中の地下水に関して、地下水の起源と地下水-岩石反応の進展を考慮した地球化学平衡モデルをもとに、地下水水質のモデル化を試みた。その結果、土壌中での炭酸分圧の値、岩体中での以下の鉱物を平衡と仮定することで地下水のpH、Ehおよび主要イオン(Si, Na, Ca, K, Al, 炭酸および硫酸)濃度について、実測値をほぼ近似することができた。・土壌中での炭酸分圧: logPco2 = -1.0・岩体中での平衡鉱物:玉随(Si濃度)、アルバイト(Na濃度), カオリナイト(Al濃度), 方解石(Caおよび炭酸濃度), 白雲母(K濃度), 黄鉄鉱(硫酸濃度、Eh)しかしながら、東濃サイトの地質情報は、地下水水質形成モデルを構築する上で必ずしも十分であるとは言えない。特に、より詳細な鉱物データ(たとえば、斜長石、粘土鉱物や沸石に関する詳細なデータなど)は、モデルを改良する上で必要である。したがって、モデルの中で考慮する主要な反応については、再検討する必要があるかもしれない。本報告書では、代替モデルの一つとして、室内での岩石-水反応試験結果をもとにイオン交換平衡定数を求め、イオン交換反応を考慮した地下水水質のモデル化も試みた。しかしながら、イオン交換反応を考慮したモデルについては、今後さらに検討を要する。
田阪 茂樹*
JNC TJ6400 2000-007, 48 Pages, 1999/03
平成8年度フォトダイオード(PD)を用いた水中ラドン検出器(PD水中ラドン検出器)が開発された。この検出器を試錐孔の深さ1mに投入して、水中ラドン濃度を測定している。水中に溶解しているラドンガスは検出器の底部開口端に装置されている機能性ガス分離膜を透過して検出器に入ってくる。検出器内のラドンは崩壊してラドン娘核種を生成する。このとき娘核種は正イオンになっているので、静電捕集法を用いてPDの表面に集められ、それらの放出するアルファー線のエネルギーを高精度で測定する。平成9年12月から、PD水中ラドン検出器を使用して、露天掘場跡地中央のH1試錐孔における観測を開始した。しかし、この井戸では地下水の流動が非常に少なく、硫化水素やメタンなどの不純ガスが発生して水中に溶解しており、ラドンガスといっしょに検出器内に入ってくる。そのため、PDを用いた静電捕集法では、ラドン娘核種が不純ガスや水蒸気の影響で電気的中和作用をおこして、ラドン検出器感度が低下することが判明した。そこで平成10年度は、光電子増倍管(PMT)とシンチレーターの組み合わせによる水中ラドン検出器(PMT水中ラドン検出器)の開発に取り組んだ。PMT水中ラドン検出器は静電捕集法を用いてないので、PD水中ラドン検出器よりも効率よくラドンを検出器よりも効率よくラドンを検出できることが期待される。光電子増倍管には浜松ホトニクス(株)の「R7354」を、シンチレータは化成オプトニクス(株)の「ZnS:Ag」を用いた。新たにPMT用の増幅回路と高圧回路を製作した。検出容器はPD水中ラドン検出器とまったく同じのものを使用した。次の3つの異なるガス雰囲気中でラドンの検出感度を求める実験を行った。第1は二酸化炭素ガス雰囲気中、第2は窒素ガス雰囲気中、第3は純空気中で相対湿度が10%から60%の雰囲気中のであるその結果、PMT水中ラドン検出器のラドン濃度校正係数は、3つの異なるガス雰囲気中でも、0.590.07[(count/h)/(Bq/m3)]とほぼ誤差の範囲内で一定であることが分かった。一方、PD水中ラドン検出器のラドン濃度校正係数は、0.045から0.089[(count/h)/(Bq/m3)]の範囲で変化することが分かった。新しく開発されたPMT水中ラドン検出器は、PD水中ラドン検出器と比較して、約7倍以上のラドン検出感
加藤 利弘*; 竹内 正行; 大橋 和夫; 永井 崇之; 石橋 祐三; 武田 誠一郎
PNC TN8410 98-070, 31 Pages, 1998/02
(目的)溶液中のAg(II)をin-situで定量的に分析する手法として、吸光光度法の適用可否を検討した。(方法)電解により生成したAg(II)の吸光スペクトルを吸光光度計で測定すると同時に酸化還元滴定法によりAg(II)の濃度を測定した。(結果)濃度と吸光度が直接関係にある波長が存在し、Ag(II)の吸光光度法によるin-situ分析は原理的に可能であることが分かった。ただし、定量分析が可能な波長や濃度範囲は、Ag(II)濃度や生成条件によって異なること、および分析上の問題点が幾つか存在することが分かった。(結論)Ag(II)の吸光光度法によるin-situ分析への適用性を検討した結果、限定された条件内においては、適用の見通しを得た。
今井 久*; 西田 薫*; 蓑 由紀夫*; 雨宮 清*; 林 為人*
PNC TJ1449 98-004, 231 Pages, 1998/02
岩盤内に空洞を掘削した場合、その周辺岩盤には不飽和領域が発生すると考えられる。この不飽和領域では、酸素を含んだ空気の浸入により岩盤の酸化還元状態が変北し、これに伴い岩盤中の物質移行特牲が変化することが考えられる。しかし、現段階ではこの不飽和領域の範囲を定量的に把握する手法は確立されていない。本研究は、今後数年のうちに岩盤中の不飽和領域をある程度定量的に把握できる計測手法を開発することを最終目標としている。今年度は(1)不飽和領域のメカニズムに関する基礎研究、(2)不飽和領域の計測手法に関する基礎研究に関して、岩石試料を用いた室内実験及び原位置において孔間レーダを用いた予備検討的な計測を行った他、TDRプローブの設置と計測を行って、基礎的な知見を得た。
稲葉 武史*; 戸井田 克*; 塩釜 幸弘*; 山本 拓治*; 安井 信吾*; 深沢 栄造*; 田中 益弘*
PNC TJ1100 98-004, 88 Pages, 1998/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を人工バリア材の一つである埋戻し材、プラグ材、グラウト材により閉鎖し、廃棄体の隔離性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験および原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、ベントナイトの動的物性値の取得及びカナダにおいて開始したトンネルシーリング性能原位置試験の設計や計測に係わる調査、検討を行った。以下にその概要を示す。(1)不飽和ベントナイト単体及び飽和砂ベントナイトの動的三軸試験を行い、ベントナイト単体及び混合土の動的変形特性を取得した。(2)AECL地下研究施設において実施しているトンネルシーリング性能試験に係わる、1)計測項目、計測機器の配置、2)ベントナイトブロックの施工、3)グラウト予備試験、4)トレーサー試験計画、5)ワークショップに係わる資料作成、の項目についての調査、検討を行った。
稲葉 武史*; 戸井田 克*; 塩釜 幸弘*; 山本 拓治*; 安井 信吾*; 深沢 栄造*; 田中 益弘*
PNC TJ1100 98-003, 204 Pages, 1998/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を人工バリア材の一つである埋戻し材、プラグ材、グラウト材により閉鎖し、廃棄体の隔離性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験および原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、ベントナイトの動的物性値の取得及びカナダにおいて開始したトンネルシーリング性能原位置試験の設計や計測に係わる調査、検討を行った。以下にその概要を示す。(1)不飽和ベントナイト単体及び飽和砂ベントナイトの動的三軸試験を行い、ベントナイト単体及び混合土の動的変形特性を取得した。(2)AECL地下研究施設において実施しているトンネルシーリング性能試験に係わる、1)計測項目、計測機器の配置、2)ベントナイトブロックの施工、3)グラウト予備試験、4)トレーサー試験計画、5)ワークショップに係わる資料作成、の項目についての調査、検討を行った。
三ツ井 誠一郎; 青木 里栄子*
PNC TN8420 97-013, 24 Pages, 1997/10
岩盤地下水中での人工バリア材、特に廃棄物ガラスの耐久性を評価する目的で、各国で原位置試験が実施されている。今回、アメリカ、イギリス、カナダ、スウェーデン、日本、ベルギーにおける原位置試験の現状を把握するため、文献調査を実施し、調査表としてまとめた。アメリカ、イギリス、スウェーデンでは一つの試験孔に異なった種類の材料を入れて試験しているが、この方法では環境条件が非常に複雑になり、材料の変質挙動を評価するのは困難である。原位置試験を行う場合は環境条件の長期安定性、それに加えて環境条件の制御可能な室内試験の重視などを考慮すべきである。
佐藤 治夫; 澁谷 朝紀; 舘 幸男; 太田 久仁雄*; 天野 健治*; 油井 三和
PNC TN8410 97-127, 57 Pages, 1997/08
高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価研究において,核種の移行遅延特性を定量的に調べモデル化することは重要な課題の1つとして挙げられている。筆者らは,結晶質岩中における核種の遅延の程度を定量化するため,割れ目から岩石マトリックス方向への核種の拡散,岩石への核種の収着および間隙特性の変化について調べている。本研究では,釜石原位置試験場の花崗閃緑岩割れ目周辺に見られる割れ目充填鉱物部および変質部の内,地下水が接触している割れ目を対象に核種の移行遅延特性を調べた。イオン電荷をパラメーターにNa,Cs,HTO,Cl,Seについて2225の範囲で見掛けの拡散係数および実効拡散係数を取得した。透過拡散法により,割れ目充填鉱物部,変質部,花崗閃緑岩に対して取得すると共に,Cs,Sr,Se,238Uおよび239Puのバッチ法による収着実験を同岩石について行い,分配係数を取得した。酸化還元条件に鋭敏な元素の内,SeについてのみN2雰囲気のグローブボックス(O21ppm)内で行い,他の元素は大気雰囲気で行った。岩石試料と同じ場所から採取した地下水(pH8.79.5)を実験では用いた。岩石試料の間隙率および密度を水中飽和法および水銀圧入法により,また,細孔径分布や比表面積を水銀圧入法により測定した。間隙率は,割れ目充填鉱物部(5.6%)変質部(3.2%)花崗閃緑岩(2.3%)の順で小さくなり,割れ目からマトリックス方向に対して小さくなることが分かった。花崗閃緑岩および変質部の細孔径分布は10nm0.2mmの範囲にわたっており,割れ目充填鉱物部は50nm0.2mmの範囲であった。しかしながら,割れ目充填鉱物部における多くの細孔径は100nmと0.2mm付近で見られた。全てのイオン(Na+,Cs+,HTO,Cl-,SeO32-)の実効拡散係数は間隙率に依存し,割れ目充填鉱物部変質部花崗閃緑岩の順に小さくなった。細孔径分布の測定結果から間隙径がイオン径に比べて大きく,岩石表面とイオンとの静電的相互作用の効果はそれほど大きくないものと考えられることから,岩石マトリックス中のイオンの実効拡散係数を間隙率や屈曲度などの間隙構造因子および自由水中のイオンの拡散係数を用いて予測した。その結果,予測値は実測値とほぼ一致し,形状因子に基づいたモデルの適用性が確認された。また,岩石に対
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PNC TN1000 97-003, 55 Pages, 1997/03
釜石原位置試験第2フェーズは、地下深部の地質環境特性の詳細な把握とそこで起きる現象の理解、ならびに調査試験技術の高度化と確立を目的に、平成5年度から実施されている。平成9年度は第2フェーズの最終年度であるとともに、昭和63年から開始された原位置試験全体についての最後の年でもある。今年度の主な実施内容は以下のとおりである。 1TASK1(深部岩盤の地質構造・力学特性・水理特性・地球化学特性の把握) 2TASK2-1(掘削影響試験) 3TASK2-2(坑道周辺のREDOX状態調査) 4TASK3-1(収着・マトリックス拡散に関する研究) 5TASK3-2(移流・分散に関する研究) 6TASK4(人工バリア試験) 7TASK5(地震の影響に関する研究)
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PNC TJ6622 97-001, 38 Pages, 1997/03
地下水中のラドンの挙動解析をするために、地下水中の原位置ラドン測定装置の開発とその実用試験を行った。本測定装置は検出部とデータロガー部から構成されている。検出部は直径60mm、長さ300mmで、数10mの試錐孔に直接投入することができ、ラドンガスは開口部に装着されている機能性ガス分離膜を通過して検出部に導入され、PINフォトダイオードを用いて静電捕集法で検出される。またデータロガー部は商用交流電源のない屋外でも、自動車用鉛畜電池4個で約60日間の連続観測が可能で、観測終了後は押しボタンスイッチでパソコンにラドンデータを転送することができる。本装置の実用試験が、平成8年12月17日から動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所夜次露天採掘場跡地のNo.18とNo.17モニタリング試錐孔と用いて実施された。No.17は平成9年1月29日で終了して、No.18は約8ヶ月間にわたり現在も継続されている。これらの観測結果から次のような観測事実が判明した。(1)平成8年12月17日から平成9年3月31日の観測期間では冠雪と雪解けによる水中ラドン濃度の変動が顕著である。約20m離れたNo.17とNo.18試錐孔の、冠雪による水中ラドン濃度の変化の様子は大きく異なることが判明した。冠雪によってNo.18試錐孔では水中ラドン濃度は約10倍の50(Bq/l)に急激に増加し、No.17試錐孔では水中ラドン濃度は約10分の1の0.06(Bq/l)まで減少した。(2)平成9年4月1日から平成9年7月21日の観測期間では、水中ラドン濃度は222Rnの崩壊曲腺に従って減衰する時期と、降雨によって急に増加する時期が繰り返し観測された。No.18試錐孔においては、平成9年5月21日、5月27日、6月6日、6月28日、7月8日の降雨による水中ラドン濃度のはっきりした増加が5例観測された。そのうち、平成9年6月28日と7月8日の降雨において、日雨量によるラドン濃度増加率を求めてみると約15[(Bq/m3)/mm]と測定された。